【保健】日本人ができる在日外国人留学生の健康支援について考える

新型コロナウイルス感染症がまん延してから、メンタルヘルスについての話題が多く聞かれます。

私はちょうどコロナ渦に今の仕事に転職し、今までの人生でご縁がなかった関西在住となりました。
実際に自分自身も実感していますが、自分にとっての趣味である海外旅行やストレス発散である友人たちとの飲み会もほとんどできなくなり、友人がほどんどいない環境の中で、どうやってストレス解消したらいいのかなぁと思ったことも数知れず。

今やLineやメッセンジャーなどで、日本各地はたまた世界中の人たちと、ビデオ通話が可能ですが、コロナ渦に来日し生活している外国人も、精神的につらい思いをしている人たちが多いのでは?と思います。
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが発令されると、不要不急の外出を控えるようにと言われ、行動範囲・活動範囲は狭くなりますし、異文化の日本で多かれ少なかれストレスを抱えつつも、楽しく充実した生活を送る方法がわからない人も多いのではないでしょうか。

私は、日本に来て大学院などで学んでいる外国人留学生の健康支援をする仕事をしていますが、この時期は特に無事に論文を提出し卒業できる見通しが立っているかどうかが、留学生たちのメンタルヘルスに大きな影響を与えていると感じます。

最近は、日本語があまりよくわからなくても、英語で全部の講義を受講して単位が取得でき卒業できる大学院が増えてきました。しかし、それもいいのか悪いのか?
ただでさえ英語が母国語ではない日本での生活は、日本語で話ができないと病院受診も困難です。
結局、日本語では本音がうまく話せず、日本にいるのに直接的なコミュニケーションを図るのは自分と同じ外国人で、日本人に対しても「英語が話せないから…」と不平を口にする人も。
逆に、日本語を一生懸命学び日本語が話せる外国人は、困ったことがあれば日本人に相談し、上手にサポートをしてもらっていることを聞くと、私もうれしく思います。

私の仕事は看護師ですが、今の職場は医療機関ではないため、医療職は私だけです。
他の職員さんたちは医療に関する知識がないので、何らかの不調を訴える留学生が出てくると、「クリニックに連れて行ってもらえませんか?」と私に相談してきます。
私は職員さんの話だけではなく、本人に話を聞いたり情報収集をして、病院同行するかどうかを判断して、本当に医療につなげたほうがいい人は医療機関に連れていきます。

実際に留学生本人はもちろん、留学生の関係者から話を聞いてみると、体調が悪くなった理由は、研究や論文など学修面がうまく進んでいない、教授などとの関係が悪化している、周囲の日本人たちなど相談できる相手がいなくて孤立した生活を送っていることなどから、不眠になり学業面の遅れや人間関係がさらに悪化して精神的に病んでくる留学生が本当に多いのです。

職員さんたちは、医療機関に受診をして薬をもらい治療をすれば安心…と思っている人が多いのですが、医療は万能ではありません。
私としては、医療の力に頼るのも必要なときもありますが、根本的なストレス要因を軽減・除去してあげないと意味がないし、何と言っても留学生本人がずっとつらいままだよね?と思うのです。

留学生の生活支援が業務の一つである職場の同僚たちには、受診をしてもらったら終わりではなく、体調不良の根本的な原因は何なのかを理解してもらって、しっかり留学生に向き合って留学生の良き相談相手、ときには良き友人になり、留学生たちをサポートする役割を果たしてくれたらと思っています。

他人のことも、自分が同じ立場ならどう思うだろう?どうしてほしいだろう?と、相手の立場になって考えられる人になりたいですね。

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