新型コロナウイルス感染症がまん延してから、インフルエンザなど他の疾患には関心が薄くなってきている印象があります。
しかし、冬にはコロナやインフルエンザの他に、ノロウイルスもまん延しやすいです。
寮や介護施設など、集団生活の場では、原因はまだ不明だけど嘔吐が続いている子どもや老人がいるとき、吐物などを片付けるときは適切に処理する必要があります。
このようなときには消毒液で拭いたりしなければいけませんが、ここではハイターやブリーチなどの塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を使用した消毒液の作り方について、お伝えします。
ウイルスが付着したところをきれいにしたいとき、ウイルスを破壊ししっかり消毒するためには、適切な濃度の消毒液を使うことが大切です。
<希釈濃度の計算>
必要な原液量(mL)=希釈液の濃度(%) / 原液の濃度(%) × 作成する希釈液の量(mL)
で表されます。
冬場にはやるノロウイルスの場合、
・吐物や便などが付着した床などの消毒には、0.1%(1,000ppm)の消毒液が必要。
・ドアノブや手すりなど触れた場所などの消毒には、0.02%(200ppm)の消毒液が必要。
次亜塩素酸ナトリウムについては、
家庭用の塩素系漂白剤は濃度約5%なので、
吐物等の処理をする場合、0.1%の消毒液500mlを作りたいときは、
0.1(%)/5(%)×500(ml)=10ml
ということで、10mlの原液(塩素系漂白剤)と490mlの水が必要です。と言っても、だいたいペットボトル1本分の水でOK。
500mlでは量が足りないというときは、原液・水ともに倍々に増やして作ります。
ドアノブや手すり等を拭く場合、0.02%の消毒液2,500mlを作りたいときは、
0.02(%)/5(%)×2,500(ml)=10ml
ということで、10mlの原液(塩素系漂白剤)と2,490mlの水が必要です。と言っても、こちらもだいたいペットボトル5本分の水でOK。
塩素系漂白剤も、家庭用と医療用では濃度が若干異なります。
医療用の塩素系漂白剤の濃度は6%ですが、家庭で使用するときは家庭用の塩素系漂白剤の容量とほぼ同じでよいでしょう。
アルコールなどは手指に直接噴射し消毒することができますが、塩素系漂白剤は直接触れると皮膚がただれてしまうため、直に触れないように手袋をしっかりはめて、使用するようにしましょう。
また、塩素系なのでにおいも強いため、拭いたり処理をするときは窓を開けて換気をしながら行ってくださいね。
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