バルトリン腺嚢胞で開窓術を受けた記録 〜 症状・手術・術後経過

バルトリン腺開窓術の体験談と一般的な治療情報

※この記事は筆者の実体験をもとにした個人の記録です。治療結果には個人差があり、医学的な助言を目的とするものではありません。

はじめに

バルトリン腺が腫れる症状は、生活に支障が出ることもあり、人に相談しづらさから一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。ネットで情報を探しても、治療の選択肢や術後の経過について詳しい記録があまり見つからず、不安が残ることもあります。

この記事では、私自身が開窓術を受けた際の実際の経過と、一般的に知られている医学情報(テキスト・ガイドラインレベル) を分けてまとめています。同じ症状で悩む方が、不安を少しでも軽くできるきっかけになれば嬉しいです。

 

私の体験談

繰り返すバルトリン腺の腫れ

30代のはじめ頃から、左側のバルトリン腺がぷっくり腫れる症状を繰り返していました。痛みは強くなかったものの、腫れると座るたびに違和感がありました。

約10年前には注射針で内容物を抜く処置(穿刺)を受けたことがあり、腫れは一時的に引いたのですが、その後も再発を繰り返していました。

手術を検討した理由

何度も腫れが戻る経験をするうちに、私の中では「根本的に完治する治療がしたいな」という思いが大きくなりました。

開窓術(切開して排出口を作る手術)は、バルトリン腺の分泌機能を残しながら治療を行う選択肢のひとつとして知られています。

ただし、治療法の向き不向きは個人によって異なるため、医師の判断が必要です。

私は現在、海外在住のため日本の医療機関に気軽に相談できず、情報が限られている中でも色々調べて、やはり日本で開窓術を受けようと決意しました。

クリニックを受診&手術

一時帰国中、札幌のレディースクリニックを受診しました。海外在住であること、滞在期間が短いことを伝えたうえで、医師から手術の流れや注意点について説明を受け、翌日に開窓術を受けることになりました。

レーザー手術は局所麻酔で行われ、大陰唇の内側(画像の波線参照)を切開しました。時間は20〜25分ほどで終了。

終了後はナプキンを当ててそのまま帰宅できる日帰り手術でした。お薬は痛み止めと胃薬を処方してくれました。痛み止めはロキソニンを処方されましたが、炎症を抑える意味でも必ず飲み切るようにとのことでした。

術後の経過と不安

手術直後から、ナプキンに粘液が染みる状態が続きました。医師から「しばらく排出が続くことがある」と説明は受けていましたが、実際に経験すると「本当にこれっていつまで続くのかな…」という不安がありました。

また、私は一時帰国中にハーフマラソンに出場する予定があったため、術後1週間後に中距離走を再開すると、日に日に排尿時にしみるような痛みが出てきました。

鏡で傷を確認してみると

傷口が広がってびらんしたように見える部分や、軽い化膿のようなものがあり、その段階で滞在先から近い一般病院を受診し、洗浄と軟膏(ゲンタシン)の処方を受けました。

その後の経過

2週間後の再診では痛みは若干軽減していたものの、傷はまだ深く見えました。診察では、

  • レーザーを深く当てたため傷口の回復に時間がかかる可能性がある。
  • 経過とともに皮膚が盛り上がって治癒するので大丈夫。

と説明されました。

その後は再診が難しい状況だったので、そのままトルコへ帰国。生活の中で運動を控えながら様子をみていると、

  • 約4〜6週間後:排出される粘液が減少
  • 6週間頃後:排出がほぼ消失
  • 2ヶ月後:傷口も徐々に小さくなってきて、生活での違和感がほとんどなくなる

という流れでした。

「このまま傷が大きかったらどうしよう」と本気で悩んでいた時期もあったので、少しずつ改善が見られたときは大きな安心感がありました。

費用について(私の場合)

私は日本の健康保険証がなかったため自費でしたが、

  • 初診
  • 手術
  • 他院の婦人科受診
  • 処方薬

すべて合わせて 25,760 でした。

医療機関や治療内容によって料金は異なるため、事前確認は必要です。

 

一般的に知られている医学情報(エビデンスレベルに基づいた情報)

※ここからは医学的な一般論です。私の体験とは区別して記載します。

バルトリン腺嚢胞・膿瘍とは

バルトリン腺の排出口が何らかの理由で塞がり、腺の分泌物がたまって嚢胞になることがあります。細菌感染が加わると膿瘍になることがあり、痛みが強くなる場合もあります。

一般的な治療選択肢

以下は教科書・ガイドラインにも掲載されている標準的な治療法です。

  • 穿刺(内容物を抜く)
  • 切開排膿(膿瘍の場合)
  • 開窓術
  • 腺の摘出(再発例などの選択肢)

どの治療法が適切かは、「嚢胞の大きさ」「感染の有無」「症状の程度」「再発状況」等の総合判断により決まります。

再発率について

研究ごとに差があり、特定の治療が常に優れていると断定されるわけではありません。開窓術の再発率は、約5〜15%とする報告もあります。

※数値はあくまで参考とされている範囲であり、個々の経過とは異なる場合があります。

術後の回復について

一般的には、

  • 数日〜数週間で日常生活に戻れる
  • 完全に傷が落ち着くのは数週間~数か月かかることもある
  • 痛みや排出が続く期間には個人差がある

とされています。

術後に不安な症状がある場合は、受診した医師や近くの医療機関に相談することが推奨されます。

 

まとめ

バルトリン腺の腫れは繰り返すことがあり、不安が尽きない症状です。

私自身、術後の傷の状態や経過が心配で、何度もネット検索をしては余計に不安になるという期間を過ごしました。

この体験談と一般的な情報が、同じように迷ったり不安を抱えている方にとって、少しでも安心材料になれば幸いです。

治療方法は個々の状況によって異なるため、気になる症状がある場合は医師に相談することをおすすめします。

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