外国人にとって日本で難しいと思うことは何? ある研究から学んだこと

コロナがまん延してから、医療保健分野だけではなく、コロナに関するいろいろな研究が行われるようになりました。

先日、あるセミナーに参加し、在日外国人についての研究結果について、話を聞く機会がありました。

大まかな内容としては、在日外国人は自治体などの情報をどのように収集しているのか、コロナワクチンの接種や定額給付金の受給に際し、どのように情報を得て手続きを実施したかという現状と、その結果に対して見えてきた課題というもので、とても興味深いものだったので、ここで少しその内容に触れてみたいと思います。

 

10万円の定額給付金が受給できるとなったときは、対象は誰か、いつまでにどのような手続きをしたらよいかなど、はじめは情報も交錯していた記憶があります。

また、新型コロナウイルスのワクチン接種について、自治体によって接種が進んでいるところ・進んでいないところの差があったり、大規模接種会場での接種や職域接種が始まるとなると、自分が一番早く接種できるところはいったいどこなのか?手続きはどうしたらよいのかなど、日本人の私たちでさえ混乱したのをよく覚えています。

 

在日外国人ならなおさら、自治体から届く日本語の書類も、漢字が多くて難しく読めないでしょうし、どんなに大変だっただろうと思います。

会社や学校などに所属している外国人は、所属先から情報を得ることができますが、その他の手段としては同じ国から来日している人々のコミュニティを頼るしかないでしょう。それもなかなか探せなければ、本当に孤立してしまいます。

 

残念なことに、外国人はあまり自治体の人たちを頼っていません。

住民票の手続きのために、一度は役所へ出向くでしょうが、役所へ行くのはそれ以外ではほとんどありません。

マイナー言語の外国人は特に、自分一人で役所へ行っても、話が通じないので日本語を話せる誰かと一緒に来るようにと言われてしまいます。

 

自治体のホームページも、確認する人もいるでしょうが、英語の説明ページを探すことすら難しいことが多いです。

実際に私も、外国人に情報提供したいと思い、いろいろ検索したことがありましたが、欲しい情報がホントに探しにくいんです。

 

ある自治体の英語の翻訳ページに移動したあと、さらに他のリンクへ飛ぶと外部のホームページに移動して、また日本語のページに戻ってしまうというループにはまり、結局自分が知りたい情報に辿りつけず諦めてしまいます。

きっと外国人も同じ思いをしていて、どうせホームページを見てもわかるはずない…と思い、ホームページを再度見ることもなくなってしまうのでしょう。

 

日本語のホームページの書いている内容が全部同じでなくても、構いません。

外国人が必要な情報にぎゅっと内容を絞り情報提供をしたり、マイナー言語への対応が難しいのであれば、せめて自治体のホームページは前ページ英語翻訳対応可となればいいのになと思います。

 

そんな外国人でも、ワクチン接種の手続きは自分自身でやることができた人が多かったのだそう。

自治体から届いた書面の内容はほとんど皆、把握はできていなかったけれど、ワクチン予約をするのにQRコードを読み込み、そのページへ飛べば外国語のページとなったため、内容を理解し予約すること自体はさほど難しくはなかったためです。

 

QRコードは日本で開発されたもので、世界的にも広く普及してきています。

このような利便性がよいテクノロジーを、自治体手続き等に多いに活用できるとよいのかもしれません。

 

以上のような、研究結果のお話しを聞き、共感できるところも多く、今後の大学院での研究内容を考えるにあたり参考になりました。

 

日本は少子高齢化がさらに進み、外国人労働者に頼らざるを得ない時代に来ている中で、最近は、多文化共生という言葉がよく使われますが、日本はまだまだそのためにやるべき課題を多く抱えていると感じました。
私も、今後は医療面で、そのような課題を解決するために手助けをしていけたらと思います。

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